経審・公共事業
経審(経営事項審査)とは
一般に経審と呼ばれる経営事項審査とは、公共事業を受ける際に、自社のレベルを採点してもらうことを言います。
建設業は、一定の規模以上の工事を受けようとすれば、資金調達能力、人の能力などを整えて、建設業許可を受けなければなりませんが、公共事業となれば、さらに会社のレベルについて評点を受け、国や都道府県、市町村に指名入札の申込みをしておかなければなりません。
この評点を受ける事務を経審と呼びます。
一式工事とは
建設業には「一式工事」と呼ばれるものが2種類あります。1、土木一式工事
2、建築一式工事
です。
これらは、大きな公共事業にもつながりがちなことから、公共事業を受注されようとする方は、大抵どちらかには力を入れていると思います。
もちろん、舗装などの専門工事でも、公共事業につながりやすい業種はあります。
そして、必ず悩むのが「何が一式工事で、何が専門工事か?」ということですよね。
まずそもそも、土木工事と建築工事の違いをまとめると、土木工作物にかかる建設工事か、建築物にかかる建設工事かということですよね。
土木工作物=人為的な労作を加えることによって通常、土地に固定して設備された物
建築物=土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)
これは定義までは知らないまでも、雰囲気で理解されていることと思います。
さて、では次が本題。何が一式工事なのか。
一般的には「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物(建築物)を建設する工事」と表現されています。
総合的な企画、指導、調整とは何? ということになるのですが、少し詳しく言うと「施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、仮設物、工事材料等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等」を指します。
よって、これが必要な建設工事が一式工事と言うことになります。
そうすると見えてくるのは
1)元請業者の立場で総合的にマネージメントする事業者向け(企画、調整の概念から)
2)大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事(総合的、全体という文言から)
3)複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事(総合的、全体という文言から)
が一式工事に入るのではないか、ということです。
逆に、一式工事からはじかれそうなのは、
1)個別の専門工事として施工が可能な場合
2)2つ以上の専門工事であっても、主たる建設工事を施工するために必要な建設工事が、建設業法(以下、「法」)第4条で定める附帯工事に該当するような工事の場合。これは、主たる建設工事の中に入れちゃうものなので、個別の専門工事と意味が同じだから。
ということになります。
2)の附帯工事は、例えば、屋根工事に附帯する塗装工事などがそうですね。
基本的には
1)元請か下請かで、下請は一式工事からはじかれ
2)工事内容をみて、専門チックだと一式工事からはじかれ
3)金額の高い安いで、安価なものは一式工事からはじかれ
ということになります。
例外として、民間工事の一括下請で、下請だけど監督等を担い一式工事、などが考えられますが、一括下請に出した元請業者は、自社の工事実績に入れられなくなるということに配慮が必要です。
元請が監督しきれずに、一次下請業者にも監督の一翼を担ってもらうというパターンもないとはいえませんが、相当いろんな工事が混ざってて、かなり大規模で、しかもその元請業者と一次下請業者の得意分野が違ってるなどが必要と考えられます。
しかも、一歩間違うと一括下請負のレッテルが貼られそうなので、経審の時にバタバタするんじゃなくて、工事を請ける段階から、国土交通省整備局等に確認しておいた方がいいように思います。
もっとも、そうやって単独で請け切れない仕事、なぜ受けた? ってことになりそうな気はします。
規模の大きい一式として発注された公共工事を元請で請けているのであれば、原則心配は少ないですが、その他は
・元請であっても、工事内容でアウト
・元請であって工事内容がOKに見えても金額が安いと工事内容を詳細に確認される
などの展開になりがちです。
もっとも、一式工事で請けたはずの公共工事も、必ずしも一式工事として見てもらえるわけではありません。
審査に当たった担当者、地域性によっても考え方がまちまちなので、一概には言えない点はご了承ください。
建退共
一般に建退共と呼ばれる建設業退職金共済への加入は、経審において、社会性を示すW点の加点になります。W点は、経審のP点に与える影響が大きく、指名において、上位ランクを目指すのであれば、社会性の項目の中で、満たせるものは全て満たしておくのが普通です。
建退共は、経審の点数になるからでなく、これに加入している会社で、働いた分だけ共済証紙を貼っておくと、働いた人が建設業界で働くのを辞めた時に、勤労者退職金共済機構から退職金が支払われるという安心があります。
で、経審の時は、これに加入していた場合は建退共の「履行証明書」を発行しておいてもらう必要があります。
普通は、事業者さんの方で用意しておいてもらいます。
しかしながら、たまに頼まれたりすることもあり、必要書類なんだっけ?? になったりしないよう、備忘録として必要書類をまとめておきます。
1、加入・履行証明願
この用紙の決算日及び決算期聞と工事施工高を必ず記入。
2、契約者証 (オレンジ色のカード)
3、掛金収納書 (銀行で発行する領収書)
元請・下請で証紙の現物交付があった場合は、その関係がわかる書類(受領書)
決算期間内の掛金収納書を持参する。
4、共済手帳受払簿(様式第40号)
決算期間内において手帳の出し入れがわかるように記入する。
5、共済証紙受払簿(様式第41号)
決算期間内の証紙の出し入れや、手帳への貼付状況を記入する。
建退共支部に一部提出。(コピー可)
6、証紙貼付台帳
手帳への貼付伏況を記入する。
7、共済手帳
手帳には決算終了月までの被共済者の出勤日数分の証紙を確実に貼付しておく。
※新規加入した事業所の場合
決算日以前に加入し、証紙購入がある揚合は加入・履行証明書を発行できますが、決算日以後に加入した揚合は加入・履行証明書は発行されません。
新規加入契約をした日から決算日までの共済手帳受払簿及び共済証紙受払簿を作成し持参する。


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